
「元気なうちに、家はあなたの名義にしておこうか」。親からそう言われたら、返事の前に税金の話です。贈与税には暦年課税 (年 110 万円) と相続時精算課税 (累積 2,500 万円) の 2 方式があって、実家のような不動産は暦年の枠には収まらないのがふつう。さらに、もらったあとに売る場面には、特例の面で落とし穴が待っています。今回は、2 つの方式と、2 つの落とし穴を解説していきます。
この記事のポイント
贈与税は 2 方式 (暦年 / 相続時精算)
取得費は、親のまま引き継ぐ
3,000 万円控除が使いにくくなる
01箱は 2 つ、値札は親のまま
暦年課税の基礎控除
年 110 万円
相続時精算課税の特別控除
累積 2,500 万円
暦年課税は、年 110 万円の基礎控除。不動産のような大きな財産は、課税されやすい方式です。相続時精算課税は、累積 2,500 万円の特別控除。60 歳以上の親などから 18 歳以上の子などへの贈与が対象で、贈与の翌年の 2 月 1 日〜3 月 15 日に届出が要ります (国税庁)。2024 年からは、累積 2,500 万円とは別に年 110 万円の基礎控除が加わって、有利・不利の計算は改正の前と後で変わり得ます。どちらが得かは資産全体で決まるので、ここは税理士の出番です。
02落とし穴 1: 取得費は親のまま引き継ぐ
贈与でもらった不動産を売ると、買った値段と買った時期は、贈与した親のものを引き継ぎます (国税庁 No.3270)。親が大昔に安く買った土地なら、売った利益が大きく出て、税も大きくなる構造です。
03落とし穴 2: 3,000 万円控除が使いにくくなる
自分が住んでいる家を売ったときの 3,000 万円控除は、実際に住んでいる家が対象。もらった実家に住まずに売れば対象外です (税理士の解説)。相続した空き家の 3,000 万円の特例は「相続で取得した」ことが前提なので、生前贈与でもらった家には使えません。つまり「贈与でもらってから売る」は、税の特例の面では不利になりやすい。売る前提なら、贈与より相続のほうが特例の面で有利なことが多いです。必ず税理士に設計を相談してください。
本記事は国税庁公表情報等に基づく一般的な解説です (2026-08-21 時点)。贈与・相続の設計は資産全体で変わるため、必ず税理士にご相談ください。
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