
実家の敷地の奥に、古い蔵や納屋。母屋を壊すついでに、と思っている人は多いと思います。蔵の解体は公開されている実例で坪 4〜4.8 万円くらい。床面積は小さいのに、母屋より割高になりやすい建物です。理由は「土壁」と「場所」にあります。壊すと決めているなら、母屋と同時に。そして壊す前に、古材の買取と建具の取り置き、補助金の範囲だけは確かめておいてください。今回は、蔵の費用の仕組みと、壊す前にやっておく 3 つを解説していきます。
この記事のポイント
蔵は手で壊すから、小さくても割高
壊すなら、母屋と一緒に
壊す前に、古材・建具・補助金の確認
01母屋は重機、蔵は手
土蔵の解体 (公開実例)
坪 4〜4.8 万円
蔵が割高になる理由は 3 つ。土壁は、土と藁を手で分けないといけない (藁まじりの土は、受け入れる処分場が限られます)。敷地の奥や狭い通路の先にあって、重機が入れないと全部手壊しになる。そして混ざった廃材の処分費は木くずの倍近く、量も母屋よりかさみやすい。床面積が小さくても単価は下がりにくく、「小さいから安い」とは限りません。
京都府の公開事例では、狭い道と隣の建物のせいで重機が使えず、土蔵を全部手で壊すことになって、廃材を人の手で運び出す費用だけで別に 12 万円超 かかっています。見積もりを頼む前に「蔵までトラックが着けられるか」を見ておくと、この上振れを早めに織り込めます。
02壊すなら、母屋と一緒に
蔵や納屋だけをあとから別に壊すと、足場などの仮設や重機の回送といった固定費が二重にかかります。壊すと決めているなら母屋と同時に、が基本。見積もりを頼むときに「蔵と納屋も含めて」と最初から伝えてください。
03壊す前の付箋は 3 枚
1 枚目は、梁や建具の買取。蔵の太い梁や柱、重厚な建具には、再生材として買い手がつくことがあります (古材を買い取る業者や、日本民家再生協会の古材ネットワークなど)。手作業でばらすので解体費そのものは上がりますが、差し引きで得になるケースもあります。順番はひとつだけ、重機で潰す前に相談すること。
2 枚目は、建具や金具の取り置き。「あの引き戸だけは残したかった」に気づいても、着工したあとでは廃材の山の中です。買取も取り置きも、着工前の一言でしか成り立ちません。見積もりの席で伝えておくのが確実です。
3 枚目は、補助金の対象範囲。蔵だけ壊すのか、母屋とまとめて敷地全体を更地にするのかで、市町の補助の対象かどうかが変わります。たとえば東近江市の一般向けの補助は「敷地全体を更地にする」のが条件で、蔵だけ残す計画だと対象外になり得ます。どこまで壊すかを決める前に、市町の担当課か、補助金に慣れた解体業者に聞いてみてください。
費用は 2026-08-20 時点の公開実例に基づく目安です。建物の状態・立地により大きく変動します。買取の可否・金額は建物の状態によります。補助制度の要件は各市町の交付要綱をご確認ください。
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