
壁がつながった長屋・連棟住宅の一部だけを壊す「切り離し解体」。実はこれ、自分の持分でも勝手にやると裁判で負けた実例があります。区分所有法という法律の壁と、実務でやるべき合意形成を整理します。
長屋はマンションと同じ法律の世界
壁・屋根・柱を隣と共有する連棟式建物は、分譲マンションと同じ「区分所有法」の適用対象になり得ます。共有部分 (共用の壁など) を勝手に失わせる工事は、法的に問題になります。
実際に負けた裁判がある
東京地裁平成 25 年 8 月 22 日の判決では、連棟の一部を所有者が単独で切り離して解体・新築した事案で、裁判所は「共用部分を失わせ、建物を違法建築物とする、共同の利益に反する行為」と認定。新築した建物の収去 (取り壊し) 義務と損害賠償まで認められました。「自分の持分だから自由」は通らない、というのがこの判例の帰結です。
実務でやるべきこと
- ●切り離しは他の所有者の同意を取ってから — 書面 (同意書) で残す
- ●切り離し後の隣家側の壁の補修範囲・費用負担を事前に取り決める (雨仕舞い・断熱・強度)
- ●同意が得られない場合は弁護士・建築士に相談 — 強行は上の判例コース
- ●業者選びは切り離し実績のある解体業者 — 通常の解体より難度が高い
まとめ
- ●連棟は区分所有法の世界 — 単独切り離しは違法と判断された判例あり
- ●全所有者の同意 + 補修の取り決めが実務の前提
- ●実績のある業者と専門家を入れて進める案件
本記事は判例と一般的な実務の解説です。個別の連棟の権利関係は物件により異なるため、必ず弁護士等の専門家にご相談ください。






