基礎知識

「解体業者」「解体工事業者」「解体事業者」はどう違う?— 法律の言葉と日常の言葉

最終更新 2026-09-22 | しが解体ナビ編集部

木造住宅を重機で解体している現場

見積書には「解体工事業登録 第○○号」、市の案内には「解体事業者」、検索窓に打つのは「解体業者」。同じ相手を指しているのに、書類ごとに呼び方が変わります。法律上の名前は「解体工事業者」で、ほかの語は場面に応じた言い換えです。それぞれの語がどこで使われ、何を含んでいるかをまとめました。

呼び方は 5 つ、指す相手はほぼ同じ

01解体業者
  • 日常の言葉。検索でいちばん使われる語
  • 法人か個人事業かは区別しない
02解体工事業者
  • 建設リサイクル法の言葉 (第 21 条「解体工事業者の登録」)
  • 県の名簿の名前は「解体工事業登録者名簿」
03解体事業者
  • 行政文書や補助金の要綱で見かける言い方
  • 「事業者」は法人も個人も含む役所の語
04解体会社
  • 会社という形を指す日常の言葉
  • 個人事業の業者には厳密には当てはまらない
05解体屋
  • 口語の呼び名
  • 書類には出てこない

5 つとも、建物を壊す工事を請け負う相手のことです。違いは誰が・どの場面で使う言葉かにあります。法律と行政は「解体工事業者」「事業者」、人が探すときは「解体業者」、会社の形を言いたいときは「解体会社」。この使い分けがわかると、書類の読み方が楽になります。

法律の中では「解体工事業者」

解体工事の資格を定めているのは建設リサイクル法 (建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律) です。この法律では、建築物などの全部または一部を解体する建設工事を「解体工事」と呼び、それを営む者を都道府県知事の登録の対象にしています。登録を受けた者が、法律上の「解体工事業者」です。

滋賀県では、この登録を県土整備部監理課が受け付け、登録を受けた業者を「解体工事業登録者名簿」として公開しています。当サイトの業者一覧のもとになっている名簿です。名簿での照合のしかたは 悪質な解体業者の見分け方 にまとめています。

建設業法では「解体工事業」という業種

もう 1 つの法律が建設業法です。請負金額 500 万円 (税込) 以上の解体工事には、建設業法の許可が要ります。この許可の業種として「解体工事業」が新設されたのは 2016 年 6 月 1 日 で、それまで解体工事は「とび・土工工事業」の中に含まれていました。新設後も、既存のとび・土工工事業の許可で解体工事を続けられる経過措置が 2019 年 5 月 31 日まで、技術者の経過措置が 2021 年 3 月 31 日まで設けられました。

重機のバケットで壁を崩している解体現場と、そばに立つ作業員
重機を操る人も、現場を仕切る人も、書類の上では「解体工事業者」の技術管理者と作業員 (写真はイメージ)
呼び名に残る歴史

年配の方が「とびの人に頼んで壊してもらった」と言うのは、2016 年より前の解体工事が「とび・土工工事業」の許可で行われていたからです。業種としての「解体工事業」は、まだ 10 年ほどの新しい区分です。

登録と許可のどちらが要るかは請負金額で決まります。境目の考え方は 解体業者の「許可」と「登録」の違い で解説しています。

書類の中で出会う呼び方

要綱の呼び方が揺れていても、確認することは同じです。見積書の登録番号か許可番号が、要綱の条件に合っているか。補助金の条件は 滋賀県の解体・空き家補助金 に市町ごとにまとめています。

当サイトの使い分け

しが解体ナビでは、人が探す言葉に合わせて見出しや一覧では「解体業者」と書いています。事業者の方に向けた案内 (掲載について・利用規約) では「事業者」、法律の話をするときは「解体工事業者」を使います。意味が変わるわけではなく、読む人がいちばん自然に感じる語 を場面ごとに選んでいます。

まとめ

法律上の名前は「解体工事業者」 (建設リサイクル法の登録を受けた者)、業種の名前は「解体工事業」 (建設業法、2016 年新設)。「解体業者」「解体事業者」「解体会社」「解体屋」は、同じ相手を場面に応じて言い換えた語です。書類で迷ったら、呼び方ではなく登録番号か許可番号 を見れば、その業者が法律上どの資格で工事をするのかがわかります。

法令の条文は e-Gov 法令検索、制度の運用は滋賀県および国土交通省の案内に基づきます (2026-09-22 時点)。

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